マサル

素晴らしい。
この物語は、決して奇抜な設定やストーリーがあるわけではありません。

でも、それなのにどうしてこんなに引き込まれるのか。それは、きっと高い文章力があり、心の動きや展開がとても自然でリアルで、そしてよく練られた物語だからだと思います。

私的な事になってしまうのですが、この作品は長編の作品では、久し振りに五つ星を付けさせて頂きました。

最初は四つ星にしようかと思ってたんですが、最後まで読んだ後、さらに「まえがき」と、「第二十章」を読み直して、やられた感を味わい、五つ星を付けた次第です。

二度読むのが、オススメかもしれませんね。

切ない物語ですが、深い感動を味わう事が出来ます。

まるで一冊の文庫本を読みきったような感覚です。

この作品を最後まで読んだあなた。
ほら。主人公が彼と過ごした光景が蘇って来ませんか?

彼が放った言葉が、聞こえて来ませんか?

まるで自分がそこにいたかのような、そんな錯覚さえ覚えてしまいました。