うのたろう

恋に悩む女の子たちへの童話
登場するのは、太陽、月、雲、星、妖精。

かわいらしい童話。

だが。

それらの登場人(?)物たちが織りなすのはわれわれ人間の恋愛模様。

こどものためでもなく。
また、おとなのためでもない。
揺れ動く十代の女の子むけの、甘酸っぱい童話だ。

人間で表現するとあたりまえすぎて気にもとめないようなことが、童話という形式をとったことによって、すなおに心にはいってくる。

「片想いも恋」

雲が太陽にいったせりふは、純粋にすばらしい。

そしてふたりの涙で雨がふる。

雨がやんだら、笑顔の虹。

気持ちがいいほど純粋で、すてきな表現だ。

恋に悩む中高生の女の子たちが、この作品を読めば、空に浮かぶすべてのものから背中をおしてもらえることだろう。