藤崎りく

片思い
むくわれない片思いは誰もが一度は経験するひとつの通り道だと思います。

この物語では、決してむくわれることのない片思いにプラスして、好きな相手が他の相手と幸せになる姿を間近で見続けていかなくてはならないという酷な状況でありながらも、前向きな主人公のいじらしさに胸がキュンとなりました。

鈍感な相手と主人公のやりとりがとてもリズミカルで楽しくて、でも切なくさせるところではガッチリつかんでくれる。
そんなアップダウンとテンポの良さに次へ次へとページをめくりました。

長編でじっくり読みたいなと思った作品でした。