小泉秋歩

モバイトして探偵する?(笑)
大学入試が推薦であっさり決まってしまった女子高生・マヤは、暇つぶしに携帯で派遣のアルバイトを探す。
その職種一覧の片隅に――「探偵」?
半信半疑ながら登録したマヤに、さっそく謎の名探偵・紐時から、5人の依頼人達に会って事情を聞くよう指令が下る。
依頼人達はある1人の女性に5股をかけられており、貢いだ金品を返してもらいたいとのこと。
その依頼を受けて、翌日その女性の所に向かった一行を出迎えたのは、毒殺された女性の死体だった――

最近流行のケイタイ登録型の派遣アルバイトを巧みに取り入れた、まさに時代の最先端を行くライトミステリーです。
謎の名探偵・紐時が送ってくるメールがなぜかギャル語なのが笑えます。
マヤが、容疑者に感情移入したり、ほのかな好感を抱いたり、先入観と実態の相違に唖然としたり、素人ならではの戸惑いや危うさに、読者も一緒になって捜査を楽しんでいる実感があります。

完結するまでレビューを書くのを控えていましたが、欲を言えば、ちょっと結論が弱いかな…?
しかし、なんといってもこれは「派遣探偵」という設定の圧倒的勝利。
ぜひシリーズ化してもらいたいです。