今回はこのシリーズから読み始められる設定になっています。勿論、前シリーズとのつながりも保ちます。
換言すれば、設定上のつながりはありますが、プロット上は個々が独立した物語作品です。なのでこのシーズンからでも気軽にお読みいただけます。
過去と未来を自由に行き来する暦人。御師と呼ばれる人々は、暦人の中でも、旅先案内人を務める。もとの伊勢神宮の領地である旧御厨地域の主要神社近くに居を構え、時間を歩く人たちを真心と愛情で手助けする人々だ。そして郵便業務終了後には、時間配達をする時空郵政が暦人への手紙配達を行う。そんなファンタジーの中で、優しさと希望を感じる世界観。
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あらすじ
この春に大学を卒業した就職あぶれ組の朱藤富久(あかふじふく)とその幼なじみの神代持彦(しんだいもちひこ)の最初の時止まりの儀礼と時間越えからスタートするシリーズ。父の療養のために、父の故郷南伊勢に一家で移転してきた富久が持彦と一緒に時間を越えて活躍する。
基本一話区切りの設定だが、緩やかで大きな話の流れがあり、『時守の里』の全容が各話毎に少しずつ解明され、富久の家や富久の父親の病気などの伏線も次第に見えてくる。一話ごとに小出しにくる謎や事実も楽しめる。
時系列では、第三話と第四話の間に富久とともに、物語を形成する時魔女の勘解由小路歌恋(かげゆこうじかれん)の登場編である番外話が入る順になる。ただしこれは番外話なので、スキップして読んでもプロットに支障ない作りになっている。
登場人物の面では、他に彼らをサポートするベテラン暦人御師がエピソード毎に登場。松阪の御師、小宅印画(こだくあきえ)と、宇治郷御師、小宅大那(こだくだいな)、そしておなじみピアニストの栄華、文筆ライターの夏見、古代史研究家の八雲などだ。勿論、時巫女や付喪神、そしていつもの暦人たちも合流し繰り広げるエピソード集、和風タイムトラベルファンタジーである。
※この第三シーズンの物語は、伊勢地方、中部地方などが舞台です。それぞれのシーズンのエピソードは、単作品としてこちらから読み始められる物語になっています。各話つながりはありますが、基本、一話完結に仕上がっています。