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コォーッ コォーウォ コォーッ

この日も白鳥は鳴いていた。動けないため姿を探すことはできなかったけど、その鳴き声は大書院内の悔し泣きの声や喧騒にまぎれて、何も出来ず寝ているだけの私の耳に届いた。私はいつの間にか、白鳥の鳴き声に敏感に反応するようになっていた。
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