『姉命令のお遣い帰り、電車で痴漢を捕まえたら自己中な言い訳をしてきたので正論で完全論破しました』
うららかな春の日、高校生の翼は電車に揺られていた。
「数駅離れた和菓子屋『萬福堂』に行き赤豆大福を買ってきて♪」
性格が破綻している実の姉の命令で隣町まで甘味を買いに行った帰りである。
ため息をついていたら、突然、腰の辺りに何かが触れ、息を飲む。
そこには着ている制服のスカート裾をたくし上げようとしている男の手があった――。
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乗り合わせた痴漢の知人目線のサイドストーリーも収録。こちらは痴漢のその後も少し。(第2回 #ワンライらんど 「下克上」参加)。
※この話はフィクションです。実際の個人、団体組織とは一切関係ありません。
★短編小説コンテスト「魔法の5分間」参加作品
旧タイトル『電車と正義感と腹黒』