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ほんのりと塩の匂いがする冷たい水が、バシャリと私の頭の上に降ってきて、全身水浸しになる。吹く風は冷たく、ぶるりと震えた。 「良かったな、綺麗になったじゃん。」 私に水をかけた男の子たちは、ゲラゲラと笑い、走り去っていく。 そして、その場には、ぐしょ濡れの私と、錆びたバケツが残った。 私は空を仰ぐ。澄み渡った空には小さな鳥が一羽だけ飛んでいて、まるで今の私のようだ。