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グッ………これはいったい……いや、これか、小鬼たちを苦しめているものは」
急になんなんだ⁈
 会話が成立していると思っていたのに、急に大鬼はよく分からない発言をしてきた。大鬼の顔と共に、小鬼たちも再び攻撃性をその雰囲気から醸し出している。大鬼が現れてから急に消えていたのに……。
「急におまえに攻撃をしたくて仕方がなくなってくる………」
 大鬼は頭を抱えだした。いったい何が起こっているのか僕にはさっぱり分からない。ただ、大鬼が冷静を保てなくなっていくのだけは、その雰囲気から感じ取れた。
「うがああああああ」
 大鬼は急に叫び声をあげた。僕は少し後ろに飛びのいて距離をとって身構えた。大鬼の手にはいつの間にか大刀が握られている。
 大鬼はその身体に似合わないスピードで、僕に切りかかってきた。僕はラウラスでそれを受け止める。
 最初の一撃を受け止めると手がビリビリとしてきた。僕の力も相当なはずなのに、大鬼の力も僕と同じか、それ以上ということだろう。僕はその力を正面から受け止めたが、横に力を逸らすことによってかわした。こんな力は初めてだった。
「正気に戻れ! 僕はおまえと話をしたい」
 そんな僕の叫びも空しく、大鬼の耳はすり抜けていく。すぐに真上からの重い一撃がやってきた。僕は横に飛びのいてそれをかわす。スピードは僕の方が勝っている。
 ズドンと大地を揺るがすような大きな音が鳴り響いて地面に直径五メートルほどの大きな穴が開いた。深さは五十センチと言ったところだろうか? 環境破壊甚だしい。ま  
あ、ここが実際に存在する世界かどうかは分からないが。
 どうする……せっかく話ができそうな相手だったのに………。
 大鬼は僕への攻撃の手を緩めない。僕はそれをただ避けていた。
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