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目が覚めて。304ページより
また、見覚えある天井に思わずハァッとため息をつく。
「目ぇ覚めてそれかよ、」
ハッと笑い声が聞こえて、
ゆっくり身体を起こすと、また目眩がした。
「寝てろよ、」
そう言いながら、わたしの手首を取り、
「ん、正常だな。」
と脈を計るのは。
「涼さん、」
「ったく、さっきまで俺が診てたんだぜ?
で、目ぇなかなか覚まさねぇから、諦めて帰った途端、呼び出されてよー」
「そう、だったんですか、」
意識を失う前、薬の匂いがしたのは、涼さんが来てくれたからだったんだ。
わたしが目を覚ます前にタッチの差で帰ってしまい、すぐまた呼び出されて、今に至るそう。
「ったく、いつからお前はそんなにお転婆になったんだよ、」
「っ、ごめん、なさい、」