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「知春先輩は絶対に本“なんか”とは言わない」

「⋯っ」

「本ばっか読んでって呆れた顔をしない。毎日、図書室に来て<今日は何読んでるの?>って言ってくれるんだよ」

「⋯、」

「一人でいるわたしをボッチなんて言わない。わたしの“世界”って言ってくれるんだよ」

自分の言葉に泣きそうになった。

先輩の笑顔を思い出して胸が苦しくなった。

「活字が苦手なくせに、本にだって興味がないくせに、いつもわたしの話を聞いてくれる」

「⋯澄、」

「だから何も心配しないでいい」

「⋯っ」

「わたしの友達はそういう人だから」
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