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「……良いの?…俺も……一緒に帰って良いの?」

敵だったのに…。

都季を苦しめたのに…。

鴉の弟なのに…。

姫城紗の手が載った頭に、また一つ手が加わる。

その手の持ち主である男、蓮見水瀬は緩やかに口許を撓らせた。

「当たり前だろ。だってお前はもう俺達の家族だろ?」
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