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近所の郵便屋さんなんかじゃない。私の、何よりも大切な人。強くしなやかなあなたが初めて見せた泣き顔を掌で挟み、ぽろぽろぽろぽろと溢れてくる涙を指先で拭う。ぐしゃぐしゃに顔を歪めた彼が私の手を擦り抜けて地面に泣き崩れ、それを追った私も屈み込んで街の真ん中で二人で泣いた。