交通事故で運良く一命は取り留めたものの、両親と声を失った少女、上柚木心音(かみゆぎここね)。喋らない心音をみんなが遠巻きにし、心音は人の輪からいつも外されてしまう。やがて心も閉ざしてしまった心音は16歳になり、養父となった叔父の計らいで転校した高校で、学校一の問題児である相原燈弥(あいはらとう…もっと見る
罰が当たったのだと思った。
当たり前だった日々は失われ、
失ったはずなのに、
いつしかそれが日常へと変わっていく。
自分のせいだと分かっているのに、
周りが優しいのをいいことに、
今日ものうのうと息をする。
そんな自分が、
「大嫌いだ｣