静かに息を吸い込んで。

作者花雪ヨル

古い絡繰りを修理する「カラクリ屋」である優のもとを去った恋人未満の「同居人さん」
呆然としていた彼の前に現れたのは、「同居人さん」と瓜二つな女性だった。
そして彼女は住み込みで働くことを申し出るとともに、ある提案をする――

本心なんてわからないから


心の内なんて見えないから





分かってほしいの。誰かと過ごす時間はすごく怖いってこと


そして知っててほしい





それでもあなたのことが好き






でもそれはあなたも同じだと思うから




あなただって


名前のないこの感情に




恐怖してると思うから






だから一緒に探そう



この偽物の中で




見つけてみせるよ


この子の名前を