「昔から異性の友達が欲しかったんだ。親って、長男だから次男だからとか、男の子だから女の子だからって理由で育て方を変えるだろ?」
その役割は私でなくても務まるから、ずっと虚しいまま彼と共にいた。
「だから、オレが知ってることと君が知ってることを言い合おうよ。好きなものとかそういう些細なことからさ」
好物や趣味、苦手なものや思い出を話すうちに、2人は誰にも言えなかった苦悩を共有し、そして2人だけの秘密を作った。
「それは諒汰が故人だから?それとも、恋人だったから同じ顔をしてる俺が気に食わない?」
この世のどこにもいないはずの彼が、高校生になった姿で私の目の前にいた。