物語全体のあらすじ
車椅子の少年・
4月。車椅子の美少年として入学早々有名人になった千里。同級生や先輩に告白される毎日に疲れて体調を崩し、入院を理由に不登校となる。そんな彼を支える幼なじみの千歳もクラスにうまく馴染めず、放課後は千里の病室に入り浸っていた。そんなある日、同じクラスの広本とめぐみに誘われ、病院の広場から街で打ち上がる花火を見ることに。そこでクラスの人たちと少しだけ仲良くなれたものの、車椅子の故障が原因で千里は足を負傷、千歳も軽い怪我をおうことになる。これをきっかけに千里は検査などのために入院が長引き、千里の母の代わりに千里を世話する千歳も夏休みを千里の病室で過ごすことになる。千歳同伴での外出許可が出ると二人で散歩に出かけたり、広本たちと遊びに行ったりと色々なことを体験。その中で自分たちの思いに気づいていく。しかし、千里の出先で同じ高校の人に告白されたり、千里を小さい頃から知るベテラン看護師・響子に手を出されたりといったモテっぷりを目の当たりにした千歳は千里のように素直に気持ちを打ち明けられずにいた。千里自身も千歳に嫌われるかもしれない、と何も抵抗できずされるがままの自分を悔いていた。一方で千歳の明るさにたくさん救われてきた広本は自分が千歳のことを好きだと気づき告白するが、千里のことを諦められない千歳は断り、広本に相談する。千歳の思いを聞いた広本は千歳に協力することにするが、お互いのすれ違いは深刻になっていた。広本の提案で家族ぐるみの旅行に行った二人だったが、千歳が熱中症で倒れ、結局一緒に夜を明かすことができなかった。けれど、旅行から帰ってきてめぐみの熱烈な告白を断った千里は千歳にきちんと告白することを決意。しかしそこで響子の嫌がらせがエスカレートし、ついに警察沙汰に発展するが証拠が不十分だとし、捜査は打ち切りになりかける。なんとしてでも響子に罪を認めさせたいと思う千歳だったが、体調を崩して入院。末期のガンと診断され、余命宣告を受ける。千里に嫌われて死ぬことを望む千歳は、治療を受けないことや、嫌がらせの犯人を名乗り出ることを広本やめぐみに打ち明けた。その際、二人の必死の説得で最後に千里と過ごすことにした千歳は千里にすべてを打ち明け、病院に送った帰りに警察に行く。自分が嫌がらせの犯人である、殺意を持ってやったと嘘の証言をして逮捕される。結局千歳は裁判を待つことなくガンで亡くなり、二人が結ばれることはなかった。