総務二課の灰かぶりには秘密がある

作者鬼沼

赤石美奈子は30歳のOLである。

日々職場の原人達に呆れながらも真面目に働く彼女だが、実は会社に隠している秘密があった。

それは、公式プロフィール20歳の声優の卵「み~な」であるということ。

事務所の社長が「お前をアイドルとして売り出す」と言いだし「何言ってんだこいつ」と対立し、半ば干されているような状態であった彼女は就活を決意。

結果、ポンコツの群生地「HOTHOT」の総務に内定するが、人事部の不備と彼女自身のミスが原因で「ゴミ捨て場」と表される総務二課に配属されてしまう。

そこにいたのはあらゆるハラスメントをしなければ死ぬタイプの原始人たち。

まあ業界の輩と比べればかわいいものである。

人事部は新人をゴミ捨て場に入れておけば逃げ出すだろうと思っていたが、そういうわけにもいかない。

美奈子にも生活があるのである。

さらに、事務所のレッスン代が馬鹿にならない。

薄給とは言え総務という雑用で正社員という食い扶持は絶対に手放したくはなかった。


そんなある朝、起きると真横にイケメンの顔があった。

業界人と朝チュンでもしたかと昨晩を思い返すと、どうやらこのイケメンが会社の営業一課のエース白鳥一馬であるということを思い出す。

スキャンダルを恐れその場を後にし、何事もなかったように日常に戻ろうとした美奈子に、白鳥の怒濤の猛アタックがはじまる。

白鳥の思惑とは?

事務所の社長の暴虐を止められるのか?

会社に副業を隠しきれるのか?


美奈子の強固なメンタルと会社の有象無象を蹴飛ばしていく生き様の物語。

総務二課の灰かぶりには秘密がある