物語全体のあらすじ
中学時代のいじめ体験を経て、周りの空気に過敏になった女子高生・
ある日のこと。愛瑠は、転校生の
愛瑠は駆恋と、「主人を守り導く誓い」という白魔術式の契約を交わし、毎日の放課後に彼の魔法を研究する日々を送り始める。魔法に触れる中で、愛瑠は駆恋から、「人間は強く思えば何でも実現できる」ということを教えてもらい、内気で気弱な性格から明るく前向きな性格へと成長していく。
いつしか愛瑠は、駆恋に恋心を抱くようになる。
だが、二人で行った花火大会にて、駆恋の肉体が突如陽炎のように揺らぎ、気を失うという事態が起こる。愛瑠は駆恋を自宅まで送った際に、彼の父・
愛瑠自身には自殺を図ったはずなのになぜか無傷だったという記憶しかなく、激しく困惑する。
その夜、駆恋は愛瑠の部屋を訪れ、心を痛める愛瑠に、駆恋は愛瑠の命を救えたことはこの上ない幸せだと告げる。
そして、二人は初めて唇でのキスをする。だがしかし、その時に駆恋は魔法を使って、愛瑠の中から駆恋に関する記憶を全て奪い、代わりに自身のキスの魔法を継承する。それは、愛瑠に駆恋自身のことで悲しみを背負わせたくないという、彼の思いやり故だった。
夏休みが明け、愛瑠の身ならず、クラスの皆が駆恋の記憶を失っていた。だが、愛瑠だけは、何かを忘れているという違和感を持っていた。
すると、愛瑠はカラスに襲われけがを負った雀を助けた時に、雀を自分は救えるという衝動に駆られてキスの魔法が使えるようになり、同時に駆恋の記憶を全て思い出す。
愛瑠は駆恋の行方を探るため月彦のもとを訪ねる。駆恋はもう助けられないと考える月彦は魔法によって愛瑠をねじ伏せ、止めようとするが、駆恋に教わった思いの力の強さを主張する愛瑠は自力で魔法をはねのける。
愛瑠の意志の強さを目の当たりにした月彦は折れ、駆恋が“始まりの地”にいると告げる。
愛瑠はかつて自分が身を投げた中学の屋上に向かうと、体が消えかけた駆恋がいた。
愛瑠は駆恋から教わった思いの力を込めたキスで、駆恋の命を救うことに成功する。