黒猫は知っている〜恋とケーキと文通と〜

作者百川 凛

「ごめん。俺、他に好きな人が出来たんだ」

高瀬理央二十七歳。広告制作会社勤務。
婚約者にフラれたその日、こっそり可愛がっていた野良猫の首に赤い首輪がついているのを発見し、誰かに飼われた事を知った。
大切にしていたものを同時に二つも失った私はヤケになり、メッセージを添えていらなくなった婚約指輪を猫…