雪解けの春を知らない。

作者沖伯ヤアミ


心配性な彼氏と、言いたいことを言い合える友人。

そんな二人と高校を卒業して離れ離れに―。


「…いいじゃん、週に何度も会っても」

「だめだよ、あたしをあんまり縛らないで」


短い髪が似合う友人はそういって私を遠ざける。


「…心配しすぎだよ」

「結は隙が多いから。そうやって誰にでも笑いかけていたら相手を勘違いさせるよ」


頭を撫でながら困った顔で笑う彼はそういって私を抱きしめる。


不満と愚痴をこぼしてしまうけれど、二人のことが好きだった私。

そんなある日――、不慮の事故に遭ってしまう。



「迷惑かけていいんだよ、俺を頼れよ」


―私を待っていたのは甘く支配してくるような男の人。


「いいよお、我儘言っても。そういうの全然大丈夫」


―我儘を言っても許してくれる女の子。



記憶を失った世界で、私は…求めていたものを知ってしまった――。



ただ愛されたかった私の行きつく先は――?