三密除けお守りが必要になる時代。
我が国は、よその国もマネできないほど慎重で、マスク・ゴーグル・ゴム手袋と完全防備な生活を始め、それも少しずつ定着してくる。
今やそれが「当たり前」となったこの国に、何年ぶりかでモデルのミミコが帰ってきた。
艶やかな長い黒髪。美しいその黒髪を、ドローンがいち早く目を…


「ドローンニュースのお時間です。

えー。こちらは現在の都市公園の映像ですが、複数の三密監視ドローンが飛び交っていて辺りは閑散としている状況です」


「ホンマですな。歩いてんのは年配の男がちらほらとしかおらへんし。ドローンが人間よりも好き勝手しとるっちゅうのは腑に落ちませんなぁ」

「それにしても浮遊するドローンは何基あるのでしょう。こんなにも多くのドローンに監視されているとあまり気持ちのいいものではないですが、どう思われますか」

「うーん。まぁ、ドローンの監視のおかげで我が国の感染者はひと桁となったし、そこは褒めたらなあかんな」

「でも街なかで三密違反を見つけたときのドローンの追跡は映画さながらですよ?」

「あぁ。最近のやつやと、ラーメン屋で暴れた牡蠣木かきもくタカシ。あれは笑かしよるな。帽子被って入店したんはええけど、他の客に混じって入ってきたドローンに見つかって、ほんで棒で壊して逮捕って、ホンマ映画ですわ」


「帽子を被っていても見抜けるドローンは脅威な気もします。皆さんも、くれぐれも三密を避けてお過ごしください」