朧の花嫁 室蘭淡恋物語

作者みちふむ

代議士の妾の娘、雪子。本妻の家族に虐げられながらも控えて明るく実兄と暮らす。ある日、兄の真が仕事仲間を連れてくる。彼は大企業の副社長、岩倉哲嗣。だが気遣い無用と雪子に身分を隠す。雪子も迷惑をかけまいと身分を隠す。兄妹のように接する二人。哲嗣には忘れられない女性がいるが、雪子の強さに心を融かしていく…


「ごめん。今まで黙っていて」


「そうだったんですか」


初めて好きになった人は、好きになってはいけない人。


この叶わぬ恋、淡い雪に、融けてしまえばいいのに。