「目も合わせてくれない」そう言って泣いた彼女は、それを彼の優しさだと言う。それならば。その告白に乗せた想いは、どこへ行ってしまうのか。
「ねえ、ばかでしょ?」
アズが引きつった顔で言う。
「止まれるわけないでしょ? 私たち、心臓止まったら死ぬんだよ?」
もっともな意見だ。
「だから、それは一時停止じゃなくて、延長戦。だいたい晴海、止まれてるの? 顔に昨日より矢代が好きって書いてあるじゃん」