長い間、幼馴染の女の子「美琴」に片思いをしている男の子の「周」は、進展しない二人の距離に諦めを感じていた。その理由の一つが特定の相手を作らない自由奔放な彼女の性格だ。周は彼女の気持ちを自分だけに向けることができるのだろうか。
「周は私のこと嫌い?」
「嫌いじゃないよ」
「じゃあ、好き?」
「好き」
ずっと彼女に伝えたかった言葉を、
美琴が今欲しい状況でサラッと口にした。
声が震えていたことには気付いていないだろうか。
今気付かれても困る。