私がこの街で信用できるのは彼だけで。何もないところから二人で這い上がってきた。一緒に飲んできたのは今、笑いながら飲んでるシャンパンなんかじゃなくて泥水だった。今、座ってるフカフカの椅子じゃなくて、アスファルトの地面を這いつくばってた。…彼が何者でもないときから私は彼のことが好きだった。

私の全て〈仮〉