30年前のラブレターを、不覚にも愛娘に発見されてしまった。

あの日の彼に会いたくて、30年の時を経て、今宵、夢にて16歳の時代にワープするーーー。

高い門の上からサラサラ髪をなびかせ、朝日をまとった忘れられないあの日の彼が、夢の中に舞い降りて来た……ーーーー。


※お願い。パパには内密…



「ママー!この埃っぽい恋文はなーに?」



あの頃の恋心が、娘によってこじ開けられたーーー。




「忘れられない相手への恋文だったりしてぇ〜」



あながち間違っていないことに、なぜか胸が高鳴る。





16歳だったあの日。



高い門の上から、朝日をまとった男子が舞い降りて来たーーー。



それが、彼との始まりだった。





ある日の放課後。




「笹倉さん。俺にラブレター書いて欲しいんだけど」




私、笹倉莉子は、ヤバい男子に捕まった……ーーー。