閉ざされた意識世界と空間の中で、ただ存在していただけの恭子の前に、数年前新しい世界が広がった。それは少しずつ、確実に新しい自分を作り上げていったが、時折追いかけて来る過去が彼女の心身を覆い隠し心の中に薄闇を漂わせる。そんな変わり映えしない日常の中、自己中心極まりない雇い主から受けたとある指令で、…