むかしむかし。
世界の果てに「エリン」とよばれる緑土の地があった。
エリンには多くの民が訪れ、豊かに暮らし、そして衰え、去った。
まるで万華鏡のように渦巻く盛衰を繰り広げるこの大地には、
やがて、2つの相対する種族が息づく。
魔法に優れる神の一族「ダーナ族」
1つ目の巨人――と噂される妖魔の一族「フォーモリア族」
フォーモリア族の王バロールは、
ひと睨みで敵を殺す「邪眼」を持つ魔王として恐れられている。
しかし、魔王バロールにも弱点があった。
1人娘エスリンが産む子が、バロールを殺すという予言だ。
バロールは予言を恐れ、
エスリンを「巨塔(トール・モール)」に幽閉して育てていた。