線香花火、カルピス、鼻パック

作者からびな



16歳の
竹野内千笑子は
ずっと友達が欲しかった。

でもワケあってひとりぼっちだ。


8月の登校日。

帰宅途中に降り出した雨に
「雨宿りをしないか?」
と声をかけたのが
チャラ男の秋川成夫だった。

クラスを代表する
おしどりカップルの彼女がいる
チャラ男の先輩と友達が欲しい後輩。

夏…


八月になってしまった。


このところ、SNSではなぜか

フォロワー数名からエアリプで石を投げられた。


蹴落とすような、貶めるような文が続く。


おそらく私に向けての誹謗中傷罵詈雑言。



LINEでは、グループラインに自分が投稿しても既読はつくが返信はなかった。



学校では

クラスのカースト上位の女子に

あからさまに嫌われていた。


みんながそれを察知して

私を遠巻きにする




今年はお祭りあるかな、って思ってた。


楽しみにしてたお祭りは、復活するどころか

存在ごと消えてしまった。


—もう、夏が来ても意味ない



世界は私を嫌ってる。







だけど、


だから、


夏を思い出す作業をしようと思った。


スマホのメモアプリを開く。


新規作成。


タイトル

「夏が来て、心拍数が夏になったリスト」


このリストを沢山埋めようと思った。