泣き虫うさぎは今日も後輩に可愛がられる。

作者月猫

ストーリー概要および物語の設定

 兎月家には代々伝わる秘密がある。それは泣くとうさぎになってしまうこと。
 感情がコントロール出来るよう、大人になって来るにつれてうさぎになってしまうことは減るのだが、主人公、兎月花菜は25歳になった今も泣き虫でうさぎになることが多々ある。

「これじゃダメ。しっ…

ストーリー概要および物語の設定


 兎月家には代々伝わる秘密がある。それは泣くとうさぎになってしまうこと。

 感情がコントロール出来るよう、大人になって来るにつれてうさぎになってしまうことは減るのだが、主人公、兎月花菜は25歳になった今も泣き虫でうさぎになることが多々ある。


「これじゃダメ。しっかりしなきゃ」


 ようは泣かなければ良いのだと、会社では仕事に集中し、無表情を貫く。しかし周りからは『氷の女王』と呼ばれるようになってしまった。

 努力がマイナスになってしまう現状に、会社でつい泣いてしまった花菜。うさぎの姿を後輩である柳眞柊斗に見つかってしまう。


「もうひとりで泣かないでください。俺がいますから」


 それから柳眞は無表情を貫く花菜の感情をいち早く察知し、いつもひとりで我慢していたことを慰めてくれるようになる。

 自分の感情を受け止めてくれる人がいる。そう思うと気持ちが楽になり、無表情がだんだん柔らかくなっていく花菜。

 しかしふと、柳眞の笑顔が気になった。


「ねぇ、どこか無理してない?」

「俺は自分が嫌いです」


 いつも助けてくれた彼を、今度は私が助けたい。


「ひとりぼっちで泣かないで」


 成長ラブストーリー。