遠き都に日は落ちて

作者みちふむ

都の大火にて鬼門が決壊し城に妖が侵入し帝が呪詛に罹る。これを滅するため陰陽師の八田笙明は修行僧の龍牙と天狗の弟子の少年篠と東山道を妖退治の旅に出る。笙明は能力を日没にしか本領発揮できない。龍牙は力任せで妖が見えない。篠は妖は見えるが封じる事ができないが三人は弱点を補い合わせ妖退治を進める。旅路で鷺…



朧月夜おぼろつきよ


菜の花揺れる東の古道は

土の匂いがする


桜は身を震わせ恋文を散らし

雪解けの小川に想いを流している


静かな夜の明かり

柔らかなかすみ


月を望む刹那はあたなと繋がっている


名をささやく南風

芳しい香りは声に似て心惑わす


腕の中にいない愛しいあなたを

今夜もずっと探している