ディルゥードゥ（惑わし）の赤い魔女

地味な女子大学生・椿藍（つばき　あい）はガーネット・ウィッチと呼ばれる妖艶な占い師に扮して人を騙す仕事をしていた。

ある日、雇用主である速水祥（はやみ　しょう）から極道の若頭・東堂明弘（とうどう　あきひろ）を依頼主として紹介される。

とあるチャイニーズマフィアが日本で好き勝手しない様釘を刺す意味を込め、来日中のボスの愛娘・王玥（ワンユエ）を送り返すよう仕向けて欲しいという依頼だった。

作戦内容は、マフィアとは関係のない恋人が欲しいという玥に祥との運命の出会いを作り上げ、のぼせ上ったところをこっぴどく振って欲しいというもの。

作戦のため、玥の観光ガイドとして明弘と藍が共に行動することになる。

初めから藍を気に入っていた明弘は、作戦を遂行しつつ彼女を自分の女にしようと奮闘する。

そんな明弘に抵抗していた藍も、彼の魅力に惹きつけられていく。

そのうちお互いに求め合うようになり、体を重ね恋人同士になった。

その後ガーネット・ウィッチとして玥に運命の相手を占い、祥へと気持ちが向くように仕向ける事にも成功した藍。

作戦は順調に進んでいると思っていたが、実は明弘は自分のシマで好き勝手をしている祥をハメるために依頼をしたのだということを知る。

それを知った藍は迷いながらも明弘に協力すると決めた。

その後祥は作戦通り玥を騙し金を奪ってこっぴどく捨てる。

これで祥はマフィアのボスに睨まれたと満足した明弘だったが、藍は明弘を裏切り祥を逃がそうとする。

「騙したのか」と追いかける明弘に、「騙される方が悪いのよ」と逃げる藍と祥。

しかし逃げた先には藍が密かに連絡を取っていた件のチャイニーズマフィアが。

恐慌状態に陥る祥を笑いながらマフィアに引き渡す藍。

実は藍は、両親を借金地獄に陥れた祥に復讐するために近付いていた。

明弘の作戦では生ぬるいと、全てを騙して祥をマフィアに引き渡すために動いていたのだ。

祥をマフィアに直接引き渡した藍は、駆け付けた明弘に好きなのはあなただと伝える。

「また騙すのか？」と笑う明弘に、藍は「どうかしら？」と妖艶に微笑んだ。

だが、そんな藍こそ自分には相応しいと明弘は彼女を抱き締めキスをした。