欠けた熱を分け合って

作者岸田

ハラスメントに苦しむ社畜の主人公、涼は限界だった。楽しかった小さい頃を思い返しながら自殺しようとしたとき、幼馴染の健治に救われる。数十年ぶりに会った彼は暴力団中堅になっていた。
次第に彼から生きる希望をもらう主人公と、彼女が幸せになれば自分と幸せにならなくていい彼のすれ違いからのハッピーエンド。

ストーリー概要および物語の設定


現代、日本の都内が舞台。

ハラスメントに苦しむ社畜の主人公、鈴原涼は限界だった。

楽しかった小さい頃を思い返す。両親がおらず、孤児院で過ごしていた涼には仲の良かった男の子がいた。幼馴染の彼と過ごす時間が何よりも幸せだった。

その幸せを思い返しながら自殺しようとしたとき、成長した幼馴染の東海林健治に救われる。


数十年ぶりに会った彼は暴力団中堅になっていた。壊れた涼の心を癒すため、二人で昔のように無邪気に過ごす。次第に彼から生きる希望をもらう涼だが、勤めていた会社の汚職事件を調べる刑事の仁志田と出会う。証言人として彼に触れ合う内、大人な彼に好感をもつ涼。そんな彼女を見て、健治は涼の幸せを願い身を引こうとする。

実は涼がいたブラック企業は健治が所属する暴力団が管理していた。その罪悪感を健治はずっと隠し続けていた。仁志田からその事実を聞かされた涼は驚愕し、健治に聞こうにも彼は涼の前から失踪してしまう。


事実を知っても涼は健治の喪失を嘆き、彼への想いを自覚する。どうにか健治を探し出し想いを告げる。

そして仁志田の協力の元、暴力団を排斥した二人は、健治の夢であり、涼の思い出だった孤児院を再開させる。