ー さて、恋の始まりだ ー中途半端な田舎の海沿いには観光客など来やしない。その場所は最高だ。そう言い放つは沢村蒼汰。幼馴染の花村一果とは幼稚園の頃からの腐れ縁だ。ありきたりに彼女を好きになった。無防備にクシャっと笑うのは反則だ。彼女が少し黒い砂の上に足跡をつけると、その上を歩きたくなる衝動が起きて…


この季節は大嫌いだ。



お前が妙に  はしゃぎだし  浮かれ始める。





不確かな感情が大嫌いだ。



独り占めする勇気もない



そんな俺が憎いんだ。





そんな季節がやってきたのだ。



無防備に  輝くお前が  大好きだ。