「おそろいの記憶があるままさ、このままふたりして、雪の中に埋もれちゃおっか」

──メモリードナー。それは、記憶の移植。

その日一日行動を共にしたドナーから記憶を共有《コピー》してもらうことで、眠るとその日の記憶がなくなってしまう病を持つレシピエントの記憶は保持される。

眠るとその日の記憶がな…




「今日も楽しかったね」




まどろみの中。




「また明日も、おれとデートしてほしいな。……なんてね」




無機質な白い病室で、お互いが同じベッドに寝転ぶ。彼は力無い私の小指に、自分の小指を絡ませた。




「おやすみ、絢音あやねさん。また明日ね」




ふっと微笑む彼の顔。優しいその目を見つめた後に、瞼を閉じた。



深く、深く、眠る。






※この作品はフィクションです。

実在の人物、団体、事件等とは一切関係ありません。