過去にトラウマを抱える引っ込み思案な女子高生、遠藤琥珀のもとに現れたのは
学園一の有名人で『孤高の王子様』と呼ばれる御崎京だった。
「一年後に君を迎えに来る」
そう言った彼は生徒会長となって、学園のある伝統を蘇らせた。
「学園で選抜された5名は『劇団』と呼ばれ、クリスマスイブの夜に劇を上演する」
「君を『劇団』の姫として迎え入れたい。」
王子役として再び私の前に現れた彼は、そう言って跪いて『求婚』をした。
「君は俺の隣で何も憂うことなく、ただ微笑んでいて。」
『私はもう、お姫様にはなれないんです。』
『どうして王子に素直に愛されてくれないのかな。』
『俺は、騎士として琥珀を守れるならそれで良い』
『仕えさせてください。僕は琥珀様の従者ですから。』
『令嬢っていっても俺は男なんだけどねぇ…?』
これは世界を拒絶していたお姫様を、
守って傍に在り続ける騎士と、
仕えて尽くし続ける従者、
寄り添い支え続ける令嬢。
そしてそんな『劇団』を作り上げ、誰よりも愛し続ける王子様の、
とろけてしまうほど素敵で甘美なシンデレラ・ストーリー。