秘書課の悪魔、恋愛ストラテジー

作者柚月しずく

秘書課の悪魔と呼ばれている、月島果穂は副社長の颯太を落としたい。
この恋、50日間の期限付き?

———最後に待つのはどんでん返し。
本当の"悪"は誰?

「悪女か悪男か」恋愛小説&コミック原作コンテスト コミック原作部門

Pomme Comics賞 受賞作品





アラサーの果穂は副社長宝来颯太ほうらいふうたに群がる女達を裏で排除してきた。社内に味方はおらず、陰で"秘書課の悪魔"と呼ばれるようになる。陰でなんて呼ばれようと気にせず、同僚や後輩の弱みを握りこまとして服従させてきた。


果穂の目的は副社長の颯太を落とすこと。

アラサーで若い子には敵わない事を分かっていた。そこで、果穂わたしがいないとダメな人間にすればいいと戦略を練る。


まずは仕事面。果穂がいないと颯太の仕事が回らない。秘書の立場を利用してそうなるように仕組んだ。


次はプライベートでも果穂がいないとダメな人間に出来れば成功である。じっくり水面下で作戦を遂行してきたけれど、急がなければいけない事情が出来た。


社長(颯太の父)が伊集院グループのお嬢様とのお見合いを取り付けた。50日後にお見合いが決行される。期限は50日、アラサー果穂は戦略で挑む事に。


作戦を遂行する中、颯太の時折みせる普段とは違う色気に、果穂は翻弄されていく。今までは簡単に出来た戦略も、好きという感情が邪魔をしてなかなか上手く進まなくなる。


自分が振り回す予定だったのに、本音が読めない颯太に気付けば振り回されていた。お見合いの日が迫ってきている中、事件が起きる。駒として使われてきた女達が結託して、今までの仕返しに果穂をおとしいれたのだ。


果穂に駒として使われた三嶋みしまは、経理の男性社員を誘惑して、金の不正を果穂に擦りつけようとする。果穂は必死に否定するが、彼女には敵が多過ぎた。誰も味方はおらず、責任を取らされ辞めさせられそうになる。


窮地の場面で颯太が現れる。仕事が出来ないはずの彼は、果穂がやっていないという証拠を調べあげ、巧な話術で逆に三嶋みしまを追い込んでいく。


三嶋は果穂を陥れようとしていた事を認める。しかし、果穂の今までの悪事を颯太の前で暴露する。彼女に便乗して駒だった他の社員達も次々と果穂の悪事を暴露していく。


これで宝来副社長は果穂に失望すると誰もが思っていた。しかし、颯太は「最初から全部知ってた」と、誰も想像していなかった反応を見せた。


果穂も驚きを隠せない様子だが、果穂の裏の顔を知った颯太は、そんな彼女の一面も好きになり、自分のために奮闘する果穂をずっと見ていたくて、戦略に乗せられているフリをしていた。


秘書課の悪魔は、いつのまにか颯太の戦略に乗せられていたのだ。どちらが本当の悪なのか分からない。似たもの同士の2人は、ようやく結ばれるのだった。