3度目に、君を好きになったとき

作者夏伐 碧

 伯王高校に入学した理由は、中学のときから憧れている柏木蓮先輩がいるから。けれど入学後、先輩にはすでに彼女がいたらしく、傷ついた結衣は先輩への想いを消したいと願うようになる。
 そんなとき「俺ならその記憶を消すことができる」と同級生の真鳥に話を持ちかけられ、先輩への恋心を消してもらうことに……。

……消し去りたい過去がある。


忘れたいあの記憶が

知らないうちに無くなってくれたらいいのに。



「俺がその記憶を消してあげようか」



私は、ある人と契約を交わし

いくつかの記憶を消してもらった。


大好きな先輩に嫌われないように。

そして、もっと自分自身を好きになれるように。



……蓮先輩。


先輩の描くあの空を、

ずっと好きでいてもいいですか?


*


何度、この気持ちを消しても

――また君に恋をする。