君の唇は悲しみの味

作者夏村晴

人は誰しも心に傷を持って生きている。
高校生の崎本千生(さきもとちお)も同じく心に深い闇を持っていた。嵐の朝誰もいない図書室に行くと、そこには見た事のない程美しい男がいた。でもその漆黒の瞳はどこか儚げで…
天が与えし偉大なる力--------
人の哀しみは何処まで征けば終わるのだろうか。
これは、…

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足を伝う手が


全て見透かすかのような眼が


傷を辿った





「へぇ、イイモン持ってんじゃん」



「…はなして!!」





呆気なく散っていった言葉に、

重ねられた唇はなす術もなく----------















2024.4.23〜