最初の一歩を、君に向かって。

作者日凪 波月

この春、高校1年生になった五十嵐斗真(いがらしとうま)は、同じ中学校だった栢野美楽(かやのみら)に長らく片思い中。しかし近くも遠くもない彼女との距離感に、思わず諦めそうになってしまう。悩み、時には自身の臆病さを呪いながらも、それでも美楽への想いは強まるばかりで……!? 少年が抱く、高望みの恋の行方…

 諦めてしまえばいい

 何度もそう思った


 たまにしか会わない関係

 チャンスと噛み合ってくれない勇気

 そういうものにイライラして、枕を涙で濡らした

 最初の一歩が踏み出せなくて、物に八つ当たりもした


 辛かった

 でもね、同じくらい幸せだったんだ


 きらめくキミと、もっと会いたい、もっと話したい


 だからボクは、キミに向かって歩き出そう