愛でて育てたあの子は、いつしか私に優しい牙を剥く

作者斎藤 こかげ

10年前、亡くなった親友の息子・龍斗を引き取った遥夏。
龍斗の20歳の誕生日をいつものように祝う二人だったが、龍斗は親代わりであるはずの年の離れた遥夏に長年の想いを告白して…
戸惑い、息子のように育ててきた龍斗の気持ちを受け入れられない遥夏。
遥夏への恋心を押し込め、今まで通りの関係でいようとする…

愛でて育てたあの子は、

いつしか私に優しい牙を剥く

斎藤 こかげ

親友の忘れ形見である龍斗を引き取ってから10年。


10歳だったあの子も二十歳を迎える。


その二十歳の誕生日、息子のように愛情をかけて育ててきた龍斗はそっと私に牙を剥く。


「俺、もう子供じゃないよ」


そう言って強い力で私を引き寄せ、口唇を奪う龍斗は、私のよく知る可愛いあの子ではもうなかったー