私にはずーっと叶えたいお願いがある。ある日先生にサンタさんのことを教えてもらった。さっそくお手紙を書いて……

クリスマスのお願い

「ねぇ雪ちゃん知ってる?クリスマスには、サンタさんが来て何でも1つ好きなものをくれるのよ」保育園の先生が言った保育園に上手く馴染めない私はよく先生と話した。『……サンタさん』私には1つだけとても欲しいものがあった。保育園でみんなと一緒にサンタさんに手紙を書いた。そのお手紙を家に持って帰った。私にはお父さんがいない。私が産まれる前にお星様になったっておばあちゃんがいってた。お母さんはお仕事で忙しいからいっつもおばあちゃん家で過ごした。お母さんとはたまに1ヶ月に1週間ほど会って自分の家で過ごした。別に楽しい物もないし、うるさくしたらお母さんが怒るからくまのぬいぐるみを抱きしめながら絵本を読んだりした。くまのぬいぐるみは私が産まれる前にお父さんが作ったんだって言ってた。お父さんは手先が器用でよく趣味でぬいぐるみとかキーホルダーとか作ってお母さんにあげてたらしい。このぬいぐるみは私を守ってくれるようにって誕生石?も付いていて私とお揃いだった。私も誕生石?のブレスレットをつけた。他にビーズとかは着いていない。茶色っぽい丈夫な紐に黒っぽい石。私の誕生日の4月28日の誕生石らしい。別に可愛くはないけど、私の大切な宝物。クリームよりも白っぽいふわふわのくまのぬいぐるみには合わない黒っぽい石。でも私とお揃いの石。いつも眺めてみたりした。 お腹が空いてきて「……お母さんお腹すいた」と声をかけた。お母さんはお酒を飲みながら泣きながら怒ったように言った。「そこの袋に入ってるから勝手にお弁当食べて!」と怒鳴られてしまった。1人で食べるお弁当はあんまり味がしなかった。食べ終わったらトイレに行って歯磨きしてすぐに寝た。すごい広い部屋に1人ぼっちで寝る。でもくまのぬいぐるみがいるから平気だった。クリスマスの日お母さんに内緒でずーっと起きてた。すると髪の下の方が少しくるってしてて眼鏡をかけてる私よりもすっごい大きな男の人が現れた。私は寝たフリをして男の人が近ずいた瞬間手を引っ張った。「ねぇもしかしてあなたサンタさん?」私が目を輝かせながら聞いた。