卒業式の朝、これが最後の登校になることに実感を持てないまま学校へ向かう柚。
次にこの香りを嗅ぐとき、私は友人との思い出を振り返るだろう。




卒業式の朝、友人たちとの最後の登校。



かけがけのない時間だったと。

それはたいてい、過ぎ去った後に気づいてしまう。



でも思い出として、心の宝箱にしまっておくことは出来る。



その宝箱を開く鍵は、どこからか香ってくるパンの香り。