特別な味を分け合って

作者大臣政務官

「みんな特別を求めてる。僕?さぁ?」

目を開けた私の隣にその人はいた。まだ寒さが残る日の夜、暖かい光がその人を包み込んだ。不機嫌そうな寂しそうな目が光をなぞった。特別を求める私はその人に声をかけた。

《特別》を求める人と《特別》に迷う人《特別》な関係に隠化された
《特別》な秘密
二人は《特別》…

嗅いだことのあるような匂い

聞いたことのあるような音

食べたことのあるような味

触ったことがあるような感触に

見たことのない世界