3年前....
仕事で精神的に追い込まれ、感情が無になった、篠宮瑠璃21歳。
いつも通りの残業帰りに通る小さな公園で出会ってしまった。
漆黒の髪に漆黒の目、黒いスーツを着こなし、足を肩幅より少し広げ、膝辺りに肘を付き、手の甲に額を乗せていた。
私が通る足音に気づき、少し顔を上げた。
前髪で顔が隠れていたから、顔はハッキリとは見えなかった。
ただ、前髪の隙間から見えた目は、、、
何も映っていないかのように、光がなく、
とても鋭く、殺されるかと思うくらい怖かったのを覚えてる。
3年前のもう会うことは無いだろうあの人の目が、私の頭からこびりついて離れない。
平凡な毎日に色をつけてくれたのは、、、
もう会うことは無いと思っていた、3年前のあの目の、
色のない世界に生きる、色の無いあなただった。