色のない世界が、色付く幸せ

作者sski

どこにでも居る普通の24歳社会人、篠原瑠璃。
普通が1番なんて分かってる。
幸せだ。
でも、生きてる世界に色がなきゃつまらない。

そんな瑠璃に色をつけたのは、、、
3年前のあの人。

3年前....


仕事で精神的に追い込まれ、感情が無になった、篠宮瑠璃21歳。


いつも通りの残業帰りに通る小さな公園で出会ってしまった。



漆黒の髪に漆黒の目、黒いスーツを着こなし、足を肩幅より少し広げ、膝辺りに肘を付き、手の甲に額を乗せていた。


私が通る足音に気づき、少し顔を上げた。


前髪で顔が隠れていたから、顔はハッキリとは見えなかった。


ただ、前髪の隙間から見えた目は、、、

何も映っていないかのように、光がなく、

とても鋭く、殺されるかと思うくらい怖かったのを覚えてる。



3年前のもう会うことは無いだろうあの人の目が、私の頭からこびりついて離れない。




平凡な毎日に色をつけてくれたのは、、、
















もう会うことは無いと思っていた、3年前のあの目の、

色のない世界に生きる、色の無いあなただった。