婚約破棄を公衆の面前で告げる王太子に、ルシニアが抱くのは心底どうでもいいということだけだった。目の前でさらに繰り広げられる そうになる茶番劇に早々に見切りをつけたことを、ルシニアは間違いなく転機であったと後に思う。予定調和の物語の世界に囚われ続けるルシニアが、解放されるかもしれない予兆を秘めた転機…