思い起こせば、私の人生の中で
彼氏という存在は無縁で生きてきた。
それでも、これまで人を好きになった事は
いつだってあった。
初めて人を本気で好きになったのは中1の時。
同じクラスの男の子でクラスで1番頭が良かった。
「今は勉強に集中したい」
中1の冬、放課後に直接想いを伝えたが呆気なくフラれた。
それでも、高校卒業まで密かにずっと好きでいた。もはや好きな理由すら思い出せない。
なぜ、6年間も片思いしてたんだろう。
次に好きになったのは
7つ歳上の仕事先の先輩。
これがまあまあ酷かった。
好きと自覚したのは出会って1年過ぎた頃
私がまだ21歳。
頼れるお兄ちゃん的存在で、いつも何かと気にかけてくれる先輩。
どっぷりハマって12年も好きだった。
「ありがとう」
好きと自覚して5年目に告白したら
まさかのありがとう。しか言わない人だった。
同じ職場であり、耐えきれず私は移動届をその後申請した。
だけど、離れてても気持ちは全く変わらなくて
年に1回会うぐらいの距離でいたのに
その無謀で執着した片思いは+7年続いた。
「俺、結婚する気無いんだよね」
12年かけて、最後にその言葉を聞いた時、
一気に冷めたのが自分でも分かった。
ああ、私何やってんだろう。
私は平凡でも良いから、好きな人と好きな人の子供が欲しいと夢見てたの。
気がつけば、仕事ばかりの人生。
既に32歳を迎え
叶わぬ恋に恋してたんだろうって
嫌気がさしていた。
いや、もう恋は諦めていた。