スースー、、
隣の席の田嶋くんは、いつも眠そう。
こっちに顔を向けて寝息をたてるのをこっそり眺める。
特別かっこいいわけでも、頭がいいわけでもない彼。
でも田嶋くんの眠そうなとろんとした目、いつも丸まっている背中をみるたびに眺めていたくなる。
「ん!」
突然、嫌な夢から覚めたように起きた。
横目で気にしつつも声をかけようか迷っていたら
「あぁ、寝とったわぁー」
独り言を言いながらそっとこちらを向いて笑いかけてきた。その純粋な笑顔に顔が赤くなるのがすぐにわかって、そのリンゴのような頰を両手で隠しつつ春の暖かい日差しのせいにした。