彼女は闇が広がる路地裏に立っていた。
ネオンが輝く表とは対照的な闇の広がる裏は、表社会で生きる人間はおろか裏社会の住人でさえ立ち入る事が躊躇われる。
それでも彼女はそこに立っていた。
彼女は知っていた
自分の額が狙われているのを
けれども彼女にどうすることが出来ただろう
彼女はただ立って世界を見据えた
終わりの無い闇を背景にして
光と闇が、
正義と悪が、
天国と地獄が、
対になっているように、表と裏もまた対だ。
すべては対照ではない。
対とは一体であって均衡を保つために対になる。
表裏一体
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